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春節には親戚や友人知人、商売上の付き合いのある人々の家を訪問し、賀辞を述べ、名刺がわりの挨拶状(年賀状の原形)にめでたい言葉が書かれた「拝牌」を渡します。

もっとも最近では、インターネットでグリーティングカードを送るということも珍しいことではなくなってきました。

子供たちが一番楽しみにしているのが、「紅包、圧歳銭」と呼ばれるお年玉です。

春節の由来

春節の由来には色々ありますが、一番有名なのが、大昔「年」という獰猛な獣がいて、毎年旧暦12月30日の夜に姿を現し、人を食べていたといいます。

この獣を退治するため、人々は食物を供え、身を潜めて隠れていました。

獣がそれを食べに来ると皆、赤い服を着て、松明をともし、爆竹をならして獣を袋叩きにしました。

獣は驚いて逃げ出し、人々は大喜びしたといいます。

その後、毎年この時期になるとお互いに祝福し合い、「万事如意=全てうまくいきますように」、「恭喜発財=お金持ちになれますように」と書いた紅色の「春聯=新年に門や入口の戸に貼る、おめでたい対句」を玄関に貼り出し爆竹を打ち鳴らすようになりました。

最近、中国都市部では爆竹や花火による火事が頻繁に発生するなどの理由で、規制されるようになりました。

春節カレンダー

旧暦12月23日:

「祭竈節」「送竈」

この日、一家の諸事をつぶさに見てきた竈(かまど)の神である「竈神(そうしん、竈君とも言う)」が、「玉皇上帝」に報告のために天に上る旅にでます。

「玉皇上帝」は道教と仏教の混淆(こんこう)したもので、元始天尊のような神格の高い神ではなく、ふつうの人間が直接関わりあうことのできる最高の神であると考えられています。

「竈神」の報告を受けて審査し、人間の言行の善悪を判断します。

善行が多ければ幸福を授け、悪行が多ければ厄災を科します。

ですから、人々は竈神のご機嫌をとったり、"

甘い報告"

をしてもらうために飴をお備えする習慣もあるようです。

旧暦12月24日:

「掃房日」

掃房日のいわれは、昔、人には「三屍神」というとても意地の悪い、人の悪口が大好きな神が着いており、この三屍神は天に上っては大神様に人間世界での天の悪口嘘八百を並べて報告していた為、本当のことを知らない怒った天は人間世界の蜘蛛の巣が張っている家はすべて潰すよう命令しました。

これを見た三屍神は楽しくてたまらず、自分で家々に蜘蛛の巣を掛けてまわりました。

しかしある日竈神がこれを発見し、竈王爺と相談し、人々に蜘蛛の巣を張らないよう、毎年12月24日に掃除をするよういいつけました。

それからぴたりと潰される家もなくなったということです。

竈祭りが終わるといよいよ年越しの準備が始まります。

旧暦12月31日:

「除夕」「年三十」=大晦日

除夕(じょせき)、竈の神様が帰って来る日です。

お備えの餃子を一家で包みます。

このときの餃子は「元宝」という昔の金の形(船にお饅頭が乗っているような形)に包み、山盛り盛られた餃子はお金持ちになる意味をもち、更に餃子に綺麗に洗ったコインを包みんでおき、一番先に食べ当てた人はその年金持ちになると言われています。

餃子には新と旧が入れ替わる「更歳交子」という意味もあります。

餃子を食べる習慣は、12月、寒く耳も凍る様子を見た医者が、貧乏な人にも寒さを凌げる食事として考えられたとも言われています。

その為昔の餃子の具は羊肉や唐辛子等体温を高める作用のある材料が使われていました。

春聯を家々の玄関の左右に分けて貼ります。

また玄関のドアは、翌日の正月一日の朝まで開けてはいけないと言われています。

夕飯を食べ終ると、年長者が子供たちに「紅包·

圧歳銭(お年玉)」をあげます。

紅包は親から子へ、既婚者から未婚者に贈られるものでした。

今では旧正月前のボーナスを「紅包」と呼んでいます。

紅色は力、愉快、楽しい運を象徴する中国人の大好きな色です。

「圧」は邪悪な神を押しつぶし、「歳」は「崇」と同じ発音のため、圧歳銭をもらった子供は平安に一年を過ごすと言われました。

大晦日の夜は、一睡もせず夜を明かす習慣があります。

深夜零時になると家の中にいた悪鬼や妖魔、悪霊を一気に退散させて、歳神様を呼びこもうという意味を込め、爆竹が朝まで鳴り響きます。

これは残酷で獰猛な人を食う「年」という動物を撃退するためで、明かりをつけたまま一家全員起きています。

旧暦1月1日 初一

年始回り「拝年」を始める。

元日、1月1日は奇数の重なる日なので女性は外出しないほうがいいとされます。

男性は親戚や友人知人、商売上の付き合いのある人々の家を訪問し、賀辞を述べます。

名刺がわりの挨拶状(年賀状の原形)にめでたい言葉が書かれた「拝牌」を渡し、子供たちに「紅包」を渡します。

~挨拶の言葉いろいろ~

「恭喜發財」 財産がたまるように恭しく喜びましょう

「萬事如意」、「五福臨門」、「新春大吉」、「五穀豊穣」、「財源廣進」、「財運亨通」、「金玉満堂」、「千金百順」 財を成し豊かになることから家族の幸せと、願い事がかなうように

「新年好」 良いお年を

「新年快楽」 楽しい一年を

「新年万事如意」 自分が思った通りの一年を

「新年心想事成」 自分は思う事が実現出来るように

旧正月の二日目

親戚や親友、隣人への引き続き年始回り「拝年」を行います。

2日から女性も晴れ着を着て年始の挨拶にでかけます。

男性たちは酒を飲み、麻雀などの博打に1年の運を託します。

正月には「破」、「苦」、「空」、「割」、「砕」、「終」、「絶」、「亡」、「失」などが縁起の悪い言葉は口にしてはいけません。

結婚して家を出た娘たちが両親の家へ戻ってくる日でもあります。

新婚の場合は、その夫も贈物をもって一緒に顔を見せます。

旧正月4日目

初詣。

午後には、竈の神が従者とともに玉帝のところから帰って来るのを迎えるために、お供え物の準備をします。

竈の神が帰ると、神の監視から解放されていた期間も終わりです。

旧正月5日目 初五·

破五 福の神の誕生日

酒肴を並べて、福の神を迎えます。

お供え物は祭壇から下げられ、いつもの生活に戻る日です。

昔の習慣では、農暦の12月23日から、正月の15日までは「大年(新年を迎える期間)」とされていますが、本当の「新年」は、大晦日の日から新春の初五(農暦正月五日)までで、この五日間は、「火」を点けず、「鋏み」に触れず、「包丁」にも触らない生活をします。

伝説によると、火をつけて料理を作ると「火事の災」にあい、鋏みを使うと「口喧嘩の災?

にあい、針で裁縫をすると「目の災」にあい、包丁を使うと「出血の災」にあい、又、ゴミを捨てずに「宝を貯める」とされていますが、一年間苦労してきた家庭の主婦を休ませるという意味もあります。

「破五」の意味は、この日を過ぎればすべての禁固が解禁されて、本当に新しい春を迎え、新しい年が始まるとの意味です。

この日を迎える為、北方の多くの家庭では餃子を作り、又わざわざ何個かを破って「破五」を迎えるのです。

「初五」の日は新春の始まりだけでなく、「財神(財産を配る神)」の誕生日とも言われています。

旧正月1月15日:

「元宵節」

正月最後の行事が15日の「元宵節(げんしょうせつ)」です。

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